Index
▼ 構築の概要とプレイ指針▼ デッキリストの詳細 / Decklist▼ Mulligan&Matchups (初期手札と各クラスとの相性)▼ Tips &プレイ動画リンク▲Index構築の概要とプレイ指針
デッキの特徴と勝利プラン
【実際高い】◆ 重点事項 ◆【時間が大事】
デッキ解説の前置きとして注意点。このデッキはレアリティの高いカードを数多く採用しており、その多くが代替の効かない性質のものです。カードコレクションが心許ない方にとっては余りにも大量の魔素/Arcane dustを要求されるかもしれません。さらにこのデッキはプレイに習熟するにもラダーで回すにもひじょうに時間がかかります。暇でしょうがないとかラダー効率を気にしない方以外はあんまりおすすめできません。
なおトーナメントに挑む方にとっては現環境で避けては通れないデッキのひとつです。自分で使わないにしろ、このデッキとの戦い方へのヒントになるところがひとつでもあれば幸いです。
N'Zoth PaladinとはOldGods(旧神)拡張版カードがもたらした
断末魔/Deathrattleアビリティをテーマとする新たな戦略と、古典的なアーキタイプの「Control Paladin」を骨組みとして構築されたControl型デッキです。旧神に汚染され生まれ変わったこのControl Paladin最大の特徴は、破壊された
断末魔/Deathrattleミニオンすべてを
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》のアビリティによってフィールドへ復帰させ、瞬間的に莫大なアドバンテージを獲得することです。キーカードとしてデッキに採用される
断末魔/Deathrattleミニオン、
《ケーアン・ブラッドフーフ / Cairne Bloodhoof》・
《シルヴァナス・ウィンドランナー / Sylvanas Windrunner》・
《ティリオン・フォードリング / Tirion Fordring》の3体だけでも20マナコスト分のミニオンが1ターンで置かれることになり、状況によってはその時点で覆しようのない有利を築き勝利を決してしまうことも可能です。
一般的に
断末魔/Deathrattleアビリティをシナジーとするデッキタイプと異なり、このN'Zoth Paladinでは上記たった3体の
断末魔/Deathrattleミニオンと
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》を中心に構成されています。デッキに仕込む
断末魔/Deathrattleミニオンの数が少ない代わりに多様な除去・ボードクリアと体力回復手段が採用されており、Controlデッキとして相手のリソースをすり減らすことにも長けています。
アグレッシブな相手から遅い展開を志向するデッキまで幅広くさまざまに対応可能な反面、N'Zoth Paladin自体の展開は非常に遅く能動的にプレッシャーを仕掛けることが難しいデッキです。このためバーストダメージを1ターンで発生させるComboを持ったデッキとの対戦に難を抱えており、キーカードの
断末魔/Deathrattleミニオンを封じられることにも弱みを持ちます。
突撃/Chargeミニオンや相手ヒーローへのダメージを増大させるようなカードシナジーはデッキに含まれず、1ターン中に相手の予想を上回るダメージ量を発生させリーサルへ達するという状況はごく限られています。従って、ゲームの勝利は第一にN'Zoth召喚によって相手を対応しようのない劣勢へ追い込むこと、その次に手札枚数・山札の残り枚数・体力といった様々なリソースの優位とフィールドの状況によって達成されます。この優位を形成する手段もデッキの特徴である多様な除去と回復手段、そしてハイバリューな3体の
断末魔/Deathrattleミニオンと
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》になります。
目指すべきゲーム展開の基本的な方針は相手の攻めを様々な手段でスローダウンさせ、除去カードを用いて効率よくカードトレードを行い、強力な
断末魔/Deathrattleへの対処を要求しさらに相手を疲弊させます。そして最終的に
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》によって相手の反撃を封じるか、様々なリソースの差をつけて勝利することを目指していきます。
デッキの中核(The Core)
以下のカード群は拡張版リリース後に組まれたN'Zoth Paladinのデッキにほぼ必ず共通して含まれているもの、デッキ構築の中核として機能している要素です。
《禁じられし癒し / Forbidden Healing》・
《謙遜 / Humility》・
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》・
《しめやかな通夜 / Solemn Vigil》・
《暴走コドー / Stampeding Kodo》の5種は1枚入りか2枚入りのバリエーションが見られ、現在デッキの核となるカードは最低数24枚となります。
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》はControlデッキとのマッチアップを見越したオプションカードという役割ながら、N'Zoth PaladinのミラーマッチやWarrior・Priestとの対戦機会が多いため現環境ではCoreとしてほぼ自動的に組み込まれています。アグレッシブなデッキとのマッチアップも考慮するならば4マナの
《エリーズ・スターシーカー / Elise Starseeker》がバランスに優れており、両方をデッキに組み込む構築例も存在します。
▲Indexデッキリストの詳細 / Decklist
サンプルデッキリスト
以下のデッキリスト詳細では、5月初旬のDreamhack Austinで優勝を飾った
[Dignitas] Chakkiのデッキリストをサンプルとして解説を行います。
Chakkiのリストは
断末魔/Deathrattleミニオンとカードドローを必要最低限に留め、ゲーム後半用の
《潔白のエアドリック / Eadric the Pure》・
《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》などイレギュラーなカードチョイスが特徴的です。この二つはトーナメントのメタゲームを意識したカード採用であるため、ラダー環境にそぐわない場合、または単純にカードを所持していないならば
《ウルダマンの番人 / Keeper of Uldaman》や2枚目の
《しめやかな通夜 / Solemn Vigil》と差し替えてください。または
断末魔/Deathrattleミニオンの追加を考えるならば、ラダーでは
《刈入れゴーレム / Harvest Golem》か
《狂闘品のヒールロボ / Corrupted Healbot》が推奨されます。
繰り返しですが、このサンプルデッキリストはトーナメントという特殊な環境で使われたデッキであるため、
断末魔/Deathrattleミニオンはキーカードの3体しか使わないという割り切った構成であることに留意してください。
《ケーアン・ブラッドフーフ / Cairne Bloodhoof》など3体のミニオン達は非常に価値の高いミニオンですが、
《埋葬 / Entomb》・
《動物変身 / Polymorph》・
《呪術 / Hex》など一部の手段によって完全に無効化されます。それでもChakkiがこの3体のバリューを頼りに
断末魔/Deathrattleミニオンの数を削ることができた理由は、トーナメントで上記の呪文カードを採用しているデッキと対戦する機会は少ないであろうと予測できていたからです。また、Control型デッキやミラーマッチを意識した構成となっているのもやはりトーナメントのメタゲームを意識したものです。
Dreamhackで優勝したChakkiのデッキリストはコミュニティで広く注目を集めていただけでなく、N'Zoth Paladinのエッセンスを煮詰めた構成であるためこの記事でもサンプルとして扱います。しかしラダーでのN'Zoth Paladin使用を考える場合はデッキを構成している要素を十分に理解し、適宜カードの入れ替えを行う必要があります。ラダーで推奨されるデッキ構成については項目を分けて解説を加えておりますので、併せてこちらも参照してください。
source: Chakki's N'Zoth Control Paladin - Dreamhack Austin [Twitter]
◆ その他の構築例
Senfglas's Anti Aggro [Twitter]
NumberSept's N'Zoth Paladin [Hearthpwn]
AKAWonder's N'Zoth Paladin - Europe Spring Preliminary 2016 [Hearthpwn]
Turna's N'Zoth Paladin - Europe Spring Preliminary 2016 [Hearthpwn]
[Video] Sigma's Dreamrattle Paladin! [Hearthpwn]
※
秘策/Secretの呪文や
《レノ・ジャクソン / Reno Jackson》を加えたハイランダー構築など、一般的なカード構成とは異質なデッキも存在する。
デッキを構成する要素
◆
断末魔/Deathrattleミニオン
デッキの特徴で先に述べたように、破壊された
断末魔/Deathrattleミニオンが
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》によってボードへ復帰するカードバリューを特徴としながらも、この構築スタイルにおいて採用される
断末魔/Deathrattleミニオンはほぼ3体のLegendaryミニオンに絞られます。多数の除去手段によって相手のリソースを削り、ヒーローの体力を保つ回復手段を併せ持ったコントロールヘビーなデッキであるため、最終的にリソースで競り勝つにはこの3体で最低限こと足りてしまうのです。ミニオンベースのMidrangeスタイルとは毛色が異なりこれ以上の
断末魔/Deathrattleオプションを採用するに足るだけの理由を見つけるのは難しいのですが、一部のミニオンはゲーム展開を助けながら復活後にも利益をもたらす場合があります。
オプション候補の
《献身の英雄 / Selfless Hero》・
《刈入れゴーレム / Harvest Golem》・
《蝕まれしトーレン / Infested Tauren》は序盤のゲーム展開を助けるものの、
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》によって再召喚される際の価値はさほど期待できません。
《黄昏の鎚の召喚師 / Twilight Summoner》は初回と再召喚時のどちらも5/5 Tokenのバリューを得るのに時間がかかりすぎる点がデメリット。このデッキはミニオンにbuffを与える手段もほとんど存在しないため、召喚時点の1/1を相手ミニオンとの有効なトレードに活かすことにも難があります。この特性上
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》からの復活後に
《捻じれし冥界 / Twisting Nether》や
《乱闘 / Brawl》のような全体除去に対して強みを持ちますが状況は限定的です。さらに
《生の苦悩 / Mortal Coil》などのpingで飛ばされる体力のためあまり信頼性も高くありません。
《狂闘品のヒールロボ / Corrupted Healbot》は5マナドロップとして優秀であり、そのデメリットはN'Zoth Paladinにとってあまり問題となりません。また再召喚時のフィールドに置かれる脅威も十分な数値であり、このデッキにおいては
《ケーアン・ブラッドフーフ / Cairne Bloodhoof》以上に評価する意見もあります。キーカードの
《ティリオン・フォードリング / Tirion Fordring》等を容易に使用できないControl型デッキとのマッチアップを考慮するならば特に有効であり、相手にとってフィールドに置かれる6/6は脅威でありながら除去カードを使用するにはためらわせる性質のミニオンです。ただしマナカーブに沿ってドロップする時が最も価値ある行動となるため、このカードを2枚採用するオプションはあまり得策ではありません。
サンプルデッキリストのカード代替オプション◆ 除去・脅威への対処 &テックカード
ボードを一掃する手段として
《終末予言者 / Doomsayer》 ,
《平等 / Equality》 ,
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》 ,
《聖別 / Consecration》がそれぞれ2枚ずつ必ず採用されています。
《平等 / Equality》と連携するカードコンボは定番ですが、
《終末予言者 / Doomsayer》は旧来のControl Paladinの構築において一般的なカードではありません。
このカードの効用はまず第一にボードクリア。早いターンに召喚された
《終末予言者 / Doomsayer》の体力を削り切るダメージを出すことは難しく、序盤において特に効果的です。返しのターンで相手がこのミニオンを処理できない場合、その次のターン開始時にボード全体がクリアされるため相手はミニオン召喚を行うこともできません。つまり相手のターンをスキップし、次のターンにボードが空の状態から自分がプレイを始められるというイニシアティブの獲得も大きな恩恵です。仮に相手が
《終末予言者 / Doomsayer》を処理可能であったとしても無駄にはなりません。このミニオンを相手のミニオンによって破壊されたなら、本来ヒーローが受けるはずだったダメージを肩代わりしたことになります。除去呪文を使用された場合、相手は除去用の呪文をひとつ消費し、その呪文を使用するマナコスト分だけミニオン召喚の機会を失います。どちらにせよ、相手のスローダウンを着実に期待できるのでN'Zoth Paladinにとっては欠かせない存在ということです。
AoE以外では
《謙遜 / Humility》 ,
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》の2種類が脅威的なミニオン単体への対処して有用であり、
《暴走コドー / Stampeding Kodo》との連携で除去手段として機能することも非常に重要です。
ミニオンの厄介なアビリティを封印、
挑発/Tauntミニオンを回避するなど様々に使い勝手の良い
沈黙/Silenceも1枚は採用を検討されています。
《鉄嘴のフクロウ / Ironbeak Owl》はnerf調整によってマナとスタッツが釣り合わなくなったため、この構築スタイルで現状は
《スペルブレイカー / Spellbreaker》一択です。
挑発/Tauntミニオンを破壊する
《黒騎士 / The Black Knight》はPaladin同士のミラーマッチ、またはDruidやTempo Warrior、その他C'Thun構築とのマッチアップで効果的に機能します。こうした特定状況に有効なテックカードもいくつか候補が挙がり、Chakkiはトーナメントの遅いメタを意識して
《潔白のエアドリック / Eadric the Pure》を採用していました。
またChakkiのデッキリストは他の構築例と比べて除去・脅威への対処カード過多の構成となっているため、これ以上を加える必要性は考えにくいでしょう。デッキ調整のためこのグループからカードを削る場合、一般的に採用されていない
《潔白のエアドリック / Eadric the Pure》、1枚入りのデッキ構築例が多数存在する
《謙遜 / Humility》と
《暴走コドー / Stampeding Kodo》が候補に挙がります。またメタゲームの変化に応じて
武器/Weapon破壊オプションの非採用も考えられます。
もちろん武器装備クラスの多いシーズン26現在では
武器/Weapon破壊を持つミニオンの採用が一般的です。武器破壊はカードドローも同時に兼ねる
《ハリソン・ジョーンズ / Harrison Jones》を採用するデッキ例が多く見られます。
《ドゥームハンマー / Doomhammer》や
《血の憤怒 / Blood Fury》を破壊する場合は過剰ドローの恐れがありますが、Aggro Shaman相手には多少カードが燃えても致命的な状況にはなりません。またControl型Warriorとの対戦では
《ゴアハウル / Gorehowl》まで温存されるためカードドローはさほど重要視されません。このためChakkiのように
《酸性沼ウーズ / Acidic Swamp Ooze》を選択する場合もあり、どちらのミニオンにも長所と短所が存在することを考慮して運用します。
極端にアグレッシブなデッキとのマッチアップに対して
《サー・フィンレー・マルグルトン / Sir Finley Mrrgglton》・
《涜れしもの / Abomination》を採用して改善するオプションも考えられますが一般的ではありません。
そしてPaladin自身の装備する
武器/Weaponはお馴染みの
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》だけです。この武器は3・4コスト帯のミニオンを処理するのに充分な攻撃力と、体力回復の恩恵があるため必ずデッキに採用されています。その他の
武器/WeaponはN'Zoth Paladinの構築スタイルに適さないこと、そして
《ティリオン・フォードリング / Tirion Fordring》から5/3の
《アッシュブリンガー / Ashbringer》を得られるため他のオプションは基本的に検討されません。
サンプルデッキリストのカード代替オプション◆ カードドロー
状況に沿った除去手段、またはキーカードの
断末魔/Deathrattleミニオン達をゲーム中盤以降に手札へ呼び込むために、ある程度のカードサイクル手段がデッキには必要です。ただし過剰なカードドローはプレイの足かせともなりうるため、
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》と
《しめやかな通夜 / Solemn Vigil》の枚数はデッキの使用者によって様々なパターンが見られます。
体力回復を兼ねる
《按手の儀式 / Lay on Hands》はこの構築スタイルに最適なカードにも見えますが、8マナコストの呪文とフィールドへの干渉を1ターン中に両立することは難しく、体力回復で状況の好転を期待できるものではありません。そして1ターンフィールドの状況を無視できる余裕があるようなControlデッキ同士でのマッチアップでは、体力回復はともかく3枚のカードドローが自殺行為に繋がるケースも多々あります。これらの理由によって
《按手の儀式 / Lay on Hands》はこのデッキのCoreには含まれていません。
サンプルデッキリストのカード代替オプション◆ ヒーローの体力(Health)回復
2枚の
《禁じられし癒し / Forbidden Healing》は最大で40の失われた体力を回復することが可能です。またこの呪文はヒーローだけではなくミニオンを回復対象とすることもできます。非常に柔軟性の高い呪文ですがヒーローの体力回復を期待して温存しがちになり、正しく使用する判断が難しい呪文でもあります。そして
《光の王ラグナロス / Ragnaros, Lightlord》は8/8のボディと毎ターン回復効果をもたらすアビリティによってN'Zoth Paladinに素晴らしい恩恵をもたらします。他の回復オプションは呪文とミニオンで複数存在し、その中でもミニオン達はトレード要員を兼ねるため相手のテンポスローダウンも同時に期待出来ます。
サンプルデッキリストのカード代替オプション◆ 特殊なカードチョイス
容易にキーカードを切れないControl同士のマッチアップを想定する上で、現在
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》は必須な存在となっています。
《乱闘 / Brawl》を持つWarrior、
《埋葬 / Entomb》を持つPriestとのマッチアップでは特にこのカードの重要性が高まります。
《エリーズ・スターシーカー / Elise Starseeker》はゲーム終盤に不要となったカードをLegendaryミニオンに変換するため、
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》に頼らないウィンコンディションを導くことも期待できます。また同時に、4ターン目のドロップとして相手のミニオンと相殺する役割でも有用です。
Chakkiのリストでは
《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》を採用しているのが特徴であり、このミニオンは一般的な構成で見られるカードではありません。Dreamhackでの彼のインタビューによると、Control型デッキの使用率が高いトーナメントという遅いゲーム展開が予想される環境での優位にフォーカスしたことがこの特殊なカードチョイスの理由として語られていました。
そしてあまり一般的ではありませんが、
《無貌の操り手 / Faceless Manipulator》をデッキに採用する構築例も存在します。このカードはデッキに3枚しか入っていないキーカードの
断末魔/Deathrattleミニオン達を増殖させることが可能であり、破壊されたならば当然
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》のアビリティで復活します。マナコストの制約上1ターン中に同時に使用することはできませんが、
《ケーアン・ブラッドフーフ / Cairne Bloodhoof》や
《光の王ラグナロス / Ragnaros, Lightlord》が生存していたならば対戦相手にとって非常に厄介なフィールドを作り出します。さらに相手のミニオンをコピーすることも可能な柔軟性も魅力の一つです。
サンプルデッキリストのカード代替オプションカードコンボ・カードシナジー
◆ ボードクリア・カードドロー
《平等 / Equality》を絡めたカードコンボは少ないマナコストで絶大な除去能力を発揮し、Control型Paladinを象徴する存在でもあります。この呪文は
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》とのコンボが定番ですが、
《平等 / Equality》を先に使用し
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》召喚後に別の呪文を一回使用することによって体力1で生存させる使い方もあります。また
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》は他の呪文カードと連携し範囲AoEとして機能させることも有効です。この際フィールド上に
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》が置かれているならカードドローの効果も同時に獲得します。
ボードクリアと
《しめやかな通夜 / Solemn Vigil》はマナコスト活用のシナジーを持ちます。ただし重要な除去カードの使用タイミングはその後の展開を大きく左右するため、このコンビネーションを成立させることに拘りすぎると後に後悔する場合もあることに留意しましょう。
◆ 攻撃力低下 + Kodo ,
《ウルダマンの番人 / Keeper of Uldaman》対象ミニオンの攻撃力を1に変更することで
《暴走コドー / Stampeding Kodo》がミニオン単体の確定除去として機能します。ただし対象がランダムであることに留意し、この除去効果を最大限に活かすタイミングを想定します。
《ウルダマンの番人 / Keeper of Uldaman》も同様で、どんなに強大なスタッツのミニオンであっても3/3のスタッツに変化させるため有利なトレードが期待できます。このミニオンを用いる場合は特に、
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》の耐久値浪費に気を遣うべきでしょう。
意志決定(Decision Making)
◆ ボードクリア・フィールド対処を判断する思考の基礎
フィールドに対処するタイミングについては、自分の体力、カードバリュー、そして相手のカードプレイから推測されるゲーム展開を考慮します。
基本的な考え方として、相手のミニオン1体を除去カード1枚で対処する1:1のカード交換は明確な優位に繋がりにくいものです。仮に相手のミニオン2体以上を1枚のカードで対処できればカードアドバンテージであり、Control型デッキであるN'Zoth Paladinにとってはこのアドバンテージの積み重ねが勝利への着実な歩みとなります。ただしアグレッシブなデッキに対しては1:1の交換を続けてもゲーム後半のハイバリューなミニオン達によって最終的なカードの質で勝り、カードアドバンテージに拘る必要性が薄くなるので、カードの価値を引き出すことよりも自身の体力を優先するゲーム展開になります。
また、特定の除去カードを切らないことが抑止力として機能することも念頭に置きます。Control Paladinの除去カードコンボはよく知れ渡っており、対戦相手はこちらのデッキに含まれる
《平等 / Equality》 ,
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》 ,
《聖別 / Consecration》の存在を当然把握しているため、除去の可能性を残しておくことは駆け引きの重要な要素となります。これらの除去カードをいつ切るかという判断は、いますぐフィールドに対処しないことで失うミニオンや自身の体力と天秤にかけて考えなければなりません。
◆
《謙遜 / Humility》・
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》すでに
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》がフィールドにある場合、相手のミニオンの攻撃力を1に変えることでカードドローの機会を増やす使い方も時に有効。ただしその時点で本当にカードドローが必要なのか、
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》ならば3/3のミニオンをフィールドに置く必要がある展開なのか、その時点で浪費しても良いのかを考えることが必要です。
ZooやAggro Shamanなどのアグレッシブなテンポデッキに対しては早い段階の
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》召喚は効果的に相手をスローダウンさせます。
《イセラ / Ysera》のように除去が難しいゲーム後半のミニオン召喚が想定される場合、単体の確定除去として
《暴走コドー / Stampeding Kodo》を温存する場合もあります。一方で、アグレッシブなデッキに対処するためアビリティが発動しなくとも場に出すテンポプレイを要求されることもあります。
ゲーム時間帯毎のプレイ指針
◆ ゲーム序盤(1~4ターン目)
相手に対処を強いる
断末魔/Deathrattleミニオンを召喚できる時間帯まで様々な手段でやり過ごすことになります。差し迫った脅威が無ければ基本的にヒーローパワーを使用するに留まり、
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》の召喚、
《しめやかな通夜 / Solemn Vigil》のキャスト、
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》の装着などカードドローやマナの有効利用を検討します。また相手の序盤ミニオンプレイに対しては
《終末予言者 / Doomsayer》での対応をまず考えます。このミニオンは対戦相手のデッキタイプに対して有効ならば
《ケーアン・ブラッドフーフ / Cairne Bloodhoof》召喚の前置きとして出すことも考えます。
アグレッシブなデッキに対して単体除去と範囲除去の選択肢に迷った場合、自分の体力と次に相手がプレイすると予想されるカードから判断を行います。AoEは相手の巻き込むミニオン数が多いほど有益ですが、ボードクリアを先延ばしにするとダメージを蓄積されてしまいます。
◆ ゲーム中盤(5~9ターン目)
この時間帯もディフェンシブに立ち回ることを求められる状況が多いでしょう。フィールドへ対処するための手段が数多く検討され、可能な限りカードを適切に、かつ効率の良いトレードを行えるタイミングで使用することが以後の展開を大きく左右します。デッキに存在する除去カードの使い道とその価値は対戦相手の構築によって様変わりし、温存しておくことが最終的な切り札となる場合も考えられます。
そして有益な
断末魔/Deathrattleを使用可能なこの時間帯では、これらキーカードの価値を確実に引き出すタイミングを見計らうことが重要です。召喚のタイミングは相手クラスに依存しますが、
《ケーアン・ブラッドフーフ / Cairne Bloodhoof》はおおむね6ドロップとして有効に働きます。
《シルヴァナス・ウィンドランナー / Sylvanas Windrunner》は空のボードに置きづらいのですが、C'Thunデッキを相手に
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》の召喚を急ぐ状況のように、このミニオンの一般的なセオリーとは少し異なる扱い方も考慮します。さらに、PriestやWarriorなど安易にキーカードの
断末魔/Deathrattleミニオンを召喚できないマッチアップが存在するので、詳細はクラス別に後述します。そうしたControlデッキ同士の対戦でこの時間帯は、
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》の使用を優先される場合もあります。
また、
《禁じられし癒し / Forbidden Healing》をこの時間帯に使用することも検討します。このカードは最大10マナで体力20を回復可能ですが、10ターン目以降でフィールドに対処せず10マナ全てを回復に使用できる状況は限られています。切羽詰まってから6マナで12点回復するのも、6ターン目以降にやることがない状況で6マナを消費するのも同じマナの消費と回復量であり、ゲーム展開におけるマナの有効活用という視点では後者が望ましいものです。ただしこの呪文は瞬間的な回復量が非常に高いため、回復を後回しにすることで対戦相手にもう少しで押し切れそうだと焦らせる駆け引きの余地も考慮すべきでしょう。
《禁じられし癒し / Forbidden Healing》は熟練したプレイヤーであってもゲーム全体の展開を俯瞰して正しく使用することが難しいものです。
◆ ゲーム終盤(10ターン目以降)
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》を召喚できる時間帯以降、このミニオンの
雄叫び/Battlecryアビリティがゲームの趨勢を決定するなら召喚します。返しのターンでこれに対処する手段を持たない相手の場合、1ターンで召喚された複数の
断末魔/Deathrattle達は相手にとって致命的な存在となるのでそのまま勝利まで押しこむだけです。このプレイングの根拠となるのは相手が既に使用したカード、カードプレイから推測される構築の内容、流行のデッキリストに採用されるカードの知識、そして以後の展開を見通した状況判断です。
判りやすい例としては、
《捻じれし冥界 / Twisting Nether》を使用していないRenolockに対して
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》は使用できません。しかし相手の体力が9以下ならば、フィールドを一掃されても
《ケーアン・ブラッドフーフ / Cairne Bloodhoof》が生成する
《ベイン・ブラッドフーフ / Baine Bloodhoof》と
《アッシュブリンガー / Ashbringer》でリーサルです。手札に
《聖別 / Consecration》があればリーサル圏は広がるので自身の手札も関係します。しかし相手が
《ソーリサン皇帝 / Emperor Thaurissan》によってマナコストを減少させていれば、
《捻じれし冥界 / Twisting Nether》と
《大地の円環の遠見師 / Earthen Ring Farseer》を1ターン中に同時に使いリーサル圏を脱してしまうかもしれません。はたまた
《捻じれし冥界 / Twisting Nether》を使用済みでも更に
《破滅! / DOOM!》をデッキに仕込んでいる可能性もあります。この可能性を計るのも流行のデッキに対する知識が根拠となります。仮に
《破滅! / DOOM!》の可能性があり得る場合も、相手がカードの過剰ドローによってFatigueを迎えるなら強気で押し込めることもあります。全ては現環境のデッキ知識と以後のゲーム展開に対する推測に依拠します。
そしてN'Zoth召喚によって詰める段階においては、フィールドの状況と返される手段の可能性、そして相手の残り体力が逃げ場の無い状況を作り出すために重要な要素となります。この上で
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》召喚は必ずしもCairne・Sylvanas・Tirionの3体を復活させその価値を最大化する必要はありません。相手に体力回復手段が無く、N'Zothターンに召喚されたミニオンの攻撃力が残り体力を上回っていればそこで王手を詰めるチャンスが発生します。1回目のTirion破壊で装備された
《アッシュブリンガー / Ashbringer》を敵のミニオン処理にただ温存するのではなく、相手ヒーローへとダイレクトアタックすることも常に考えること。
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》が手札に無い、有効な
断末魔/Deathrattleの初回召喚をまだ行っていない、これらキーカードが手札に無いという状況では相手の脅威に対処しながら機を待つことになります。
この時間帯に至っても
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》を召喚して決着を付けられないマッチアップの場合はそのクラスとデッキ内容によって対処方法が異なり、正しいプレイをひとつずつ学ぶ必要があります。
▲IndexMulligan&Matchups (初期手札と各クラスとの対戦)
source : Meta Snapshot The New Standard [TempoStorm]
マリガンの基礎思考
◆ 対戦相性について(Matchups)N'Zoth Paladinはフィールドを一瞬でクリアする手段と高いバリューの
断末魔/Deathrattleミニオンを具えたControl型デッキです。極めて相性が良いという対戦はそれほど多く存在しませんが現環境に存在するほとんどのデッキに対して対応可能であり、粘り強く戦うことであらゆるマッチアップに活路を見出すことができます。
Aggroデッキとの関係はミニオンを並べるタイプを得意とし、特に現在猛威を奮っているShamanにとっては天敵のような存在かもしれません。一方で
挑発/Tauntミニオンがほとんど存在しないため、
突撃/Chargeミニオンを多数含むFace型デッキに対してはシビアな綱渡りを強いられます。
そして非常に不利なマッチアップも一部存在します。RogueデッキのほとんどとN'Zoth Priestに対しては完封されかねないほど相性が悪いためデッキの流行には常に気を配らなければなりません。
◆ マリガンの基礎プランカードサイクルをそれほど急がないデッキなので、基本的にカードドローよりも相手の序盤ミニオンに対する適切な解答を優先して手札に残していきます。先手・後手ともにこの考え方は共通。
《終末予言者 / Doomsayer》はあらゆるマッチアップで保持する価値があり、
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》・
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》の二つは相手の展開をスローダウンさせるために非常に有効です。
《平等 / Equality》は早期にフィールドを展開する相手に対して
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》とセットでキープできるなら考慮します。
《聖別 / Consecration》と同時に候補に並んだ時は、
《聖別 / Consecration》をキープして
《平等 / Equality》は流したほうが得策です。
有効な除去カードが1枚も候補に無ければ上記のカードを求めてハードマリガン、すでにキープできているならばドローソースの
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》、武器使用クラスへの対処カードのオプションを考えていきます。
《酸性沼ウーズ / Acidic Swamp Ooze》は武器使用クラス以外でも2ドロップのトレード要員としても使えるのでキープを検討します。もちろん有効な除去カードが他にキープできていることが前提です。
初手に1枚はキープしたいカード達除去の次に検討するカード達◆ 特定のマッチアップに対して行う例外ピックの考え方アグレッシブなデッキを想定される場合はAoE(
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》・
《聖別 / Consecration》)、そして
《終末予言者 / Doomsayer》を最優先。
Controlデッキ同士のマッチアップである確率が高いならば
《エリーズ・スターシーカー / Elise Starseeker》・
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》を残します。初手に6マナミニオンを残すことは躊躇したくなりますが、Priestを相手にする場合やミラーマッチではこのカードが必須なのでキープします。
Freeze Mageであることが明らかならば
《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》をキープします。N'Zotn PaladinがFreeze Mageに対してこのミニオンを8ターン目にプレイすることは、初期手札の1枚をそれまで使用できないカードで潰してでも価値が認められるからです。
ラダー向けのデッキリスト
この項目ではN'Zoth Paladinをラダー向けに調整する考え方とカード選択について注記します。先にサンプルデッキリストとして採り上げたChakkiの構築とは性質が若干異なることに留意してください。
◆ サンプルデッキリスト: シャーマンとテンポウォリアーとZooだけは絶対殺すディン
◆ Chakkiのリストと比較
デッキ名を読んで字のごとくAnti Aggroを志向したN'Zoth Paladinのバリエーションです。まずゲーム後半用の
《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》・
《潔白のエアドリック / Eadric the Pure》がカットされています。さらにデッキのCoreとして採用されるはずの
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》も含まれていません。
この理由はシーズン26後半のラダー環境において最多勢力であるShaman、Tempo Warrior、Zooを相手にする場合はあまり有効ではないカードだからです。Control型デッキやDruid、ミラーマッチなどの対戦における優位は最初から考慮していません。
《スペルブレイカー / Spellbreaker》の不採用も同様の理由です。
沈黙/Silenceの利便性は魅力的ですが、アグレッシブなデッキに対して彼らをスローダウンさせるにはあまり有効なミニオンではありません。
入れ替わりとして
《刈入れゴーレム / Harvest Golem》・
《蝕まれしトーレン / Infested Tauren》・
《狂闘品のヒールロボ / Corrupted Healbot》の
断末魔/Deathrattleが3体採用されています。この低コスト
断末魔/Deathrattleミニオン達の主な役割は相手のミニオンにぶつけてスローダウンさせるトレード要員です。
《蝕まれしトーレン / Infested Tauren》は目を覆いたくなるほど惨めなスタッツのミニオンですが、
《ティリオン・フォードリング / Tirion Fordring》がデッキに眠ったまま
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》を召喚するときノーガードになってしまう状況を防ぐ保険としても機能します。
ここで加えた
断末魔/Deathrattleミニオンの代わりに、体力回復と比較的高いスタッツの
《スナック売り / Refreshment Vendor》や
《タスカーの槍試合選手 / Tuskarr Jouster》も有効です。
武器/Weapon破壊ミニオンは
《酸性沼ウーズ / Acidic Swamp Ooze》 +
《ハリソン・ジョーンズ / Harrison Jones》の2段構え。ハンマーを握るのは許さないという強い意志の現れです。
最後にカードドローは
《しめやかな通夜 / Solemn Vigil》を削り
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》を2枚へ。ボードクリアとマナコストのシナジーを持つ
《しめやかな通夜 / Solemn Vigil》も1枚はN'Zoth PaladinのCoreといえるカードです。それにも関わらず差し替えた理由は、
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》がダメージを肩代わりすることも期待してのものです。
そして
《按手の儀式 / Lay on Hands》を1枚加えている理由は体力回復はもちろんとして、攻め手を欠いたアグレッシブなデッキに対するダメ押しとして、いわゆるWin moreを期待してのものです。ゲーム後半に窮地を脱する手段としてはあまり期待しないほうが良いでしょう。
◆ このデッキのマリガン
このバリエーションは上述しているようにラダーで最多勢力のアグレッシブなデッキに対処することを優先した構築です。マリガンの基礎は共通していますが、相手の序盤ミニオンと有利なトレードを計れる
《刈入れゴーレム / Harvest Golem》はキープする候補として有力です。しかし当然Druidなど有効ではない相手の場合は流してしまいます。
《酸性沼ウーズ / Acidic Swamp Ooze》は相手が
武器/Weapon使用ヒーローであるかに関わらずキープすると良いでしょう。
基本的には
《終末予言者 / Doomsayer》のように有効な除去手段を探しに初期手札の入れ替えを行いますが、序盤から中盤にかけて対策手段を増やしたデッキなのでゲーム開始後にドローする期待値も高く見積もることができます。
クラス毎のマッチアップ
マッチアップ候補: C'Thun Druid , Ramp Druid , Beast DruidBeast Druidはアグレッシブに展開することも可能なデッキなのでボードクリアの重要性が高くなります。Ramp系のデッキはおおむね1ターンにつき1体のタフなミニオン召喚となるので、
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》が有効に機能します。デッキに
《黒騎士 / The Black Knight》を入れてる場合は必ず役に立つ場面があるのでマリガンでのキープを検討しましょう。
他にも
《暴走コドー / Stampeding Kodo》は攻撃力が2以下にあればどんなに体力が高いミニオンであっても破壊します。
《戦の古代樹 / Ancient of War》のような高いマナを費やして召喚するミニオンを処理するために使用すべきタイミングを見計らいましょう。このヒーローとのマッチアップが多いと感じるならば
《ウルダマンの番人 / Keeper of Uldaman》の採用も効果的です。
そして、DruidとのマッチアップにおけるN'Zoth Paladinのキーカード使用は極めてシンプル。
《木立の番人 / Keeper of the Grove》が採用されなくなった現在は
沈黙/Silenceを恐れずミニオン召喚が可能であり、
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》で圧倒的なフィールドの優位を築くとこのクラスはほとんど対処する術が存在しません。警戒すべきはスタッツの高いミニオン達から継続して殴られ続けることによるダメージの蓄積です。C'Thunデッキならばもちろん
《クトゥーン / C'Thun》によるバーストダメージも脅威。対戦相手のCultistミニオンの中でも
《黄昏の鎚の長老 / Twilight Elder》のような持続的にbuffを重ねるミニオンは早期に処理しなければなりません。
このデッキに限った話ではありませんが、C'Thun型構築に対しては使用済みのCultistミニオン達を覚えておく必要があります。
《クトゥーン / C'Thun》にbuff効果を与えるActivator(アクティベイター)の可能性がどれだけ残されているかというのは、
《クトゥーン / C'Thun》を直ちに処理すべきかという判断に関わってきます。もちろん、相手のデッキに
《破滅の招き手 / Doomcaller》が入っていないと判断できるならばすぐさま処理して構いません。しかしその可能性が疑われる場合、
《謙遜 / Humility》や
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》で攻撃力を1に減衰させて凌がなければならない状況も考えられます。Druidに対して次のターンに
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》で圧倒的な盤面を築けるならば
《破滅の招き手 / Doomcaller》のプレイもさほど警戒する必要はありません。
マッチアップ候補: Face Hunter , Midrange HunterN'Zoth Paladinは
挑発/Tauntミニオンをほとんど持たないため、ヒーローへのダイレクトアタックに徹するFace Hunterとの対戦は適切な除去カードを早期に引き当てるかに依存してしまいます。6マナの強力な
断末魔/Deathrattleミニオン達もストッパーにならず、安定するには
《光の王ラグナロス / Ragnaros, Lightlord》などのゲーム後半ミニオン召喚へ漕ぎ着けるかどうかという厳しい対戦となります。
毎月のラダーシーズン開始当初のようにFace Hunterが多く見られる時期は、たとえその価値が低くとも
《蝕まれしトーレン / Infested Tauren》のようなAggro対策が必要になるでしょう。
一方のMidrange Hunterも場残りの良いミニオンによって継続的な脅威を突きつけてくる厄介な存在です。スタンダードフォーマット開始に伴いNaxxの有用なミニオン達が失われたものの、HunterはOldGods拡張版の新カードによって複数の
断末魔/Deathrattleをオプションを獲得しました。フィールドをクリアしても
獣/Beast種族のTokenが居残るのは厄介であり、この種族シナジーを活かすことも兼ねて
《暴走コドー / Stampeding Kodo》を採用しているデッキも存在します。
《終末予言者 / Doomsayer》不発のリスクを減らすため
《シルバーハンド新兵 / Silver Hand Recruit》など他のミニオンと同時に使用する、または4マナ以前にこのカードを使用することを心がけたほうが良いでしょう。
相手の3ターン目
《獣の相棒 / Animal Companion》に対してすぐさま対応すべきかどうかなど幾つか判断の難しいターニングポイントが存在します。召喚されたミニオンが
《ハファー / Huffer》以外であった場合、
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》で攻撃力を1に下げても次のターンに
《猟犬使い / Houndmaster》で有利なトレードを仕掛けられ脅威は持続します。ここでは
《終末予言者 / Doomsayer》か
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》で対処することが望ましいでしょう。
そして8ターン目以降は常に
《荒野の呼び声 / Call of the Wild》を使用される可能性を考慮しなければなりません。初回の
《ハファー / Huffer》による5ダメージはさほど脅威ではありませんが、そのターン中にフィールドを返すことが出来なければ次のターンにあっさりとリーサルまで追い込まれる恐れがあります。
マッチアップ候補: Tempo Mage , Freeze Mage , Reno Mage , Concede Mage(Grinder Mage)いずれのデッキタイプであっても少々厄介なマッチアップ。まずTempo MageはN'Zoth Paladinに対して効果的なプレッシャーを仕掛けてくる相手であり、フィールドのミニオンに加えてヒーローへ直接ダメージを与える呪文の脅威を複数備えています。このTempo Mageの攻勢を挫く手段として
《終末予言者 / Doomsayer》はやはり有効ですが、新カードの
《カルトのソーサラー / Cult Sorcerer》に対しては、
《魔力の炸裂 / Arcane Blast》または
《フロストボルト / Frostbolt》のコンビネーションによって簡単に処理されてしまいます。
Freeze Mageとのマッチアップは相手のダメージリソースを浪費させることに専念します。まずPaladin側からFreeze Mageが8マナ以降の強烈なカードプレイを行う前に有効なプレッシャーをかけることはほぼ不可能です(ラグナロス・ブラザーズの召喚は極めて有効)。その反面、一般的なFreeze Mageの構築でControl Paladinの体力を削りきるには、デッキに最初から含まれている呪文カードのみではダメージリソースが不足します。
《ソーリサン皇帝 / Emperor Thaurissan》と
《大魔術師アントニダス / Archmage Antonidas》を召喚されたターンに確実に処理する手段、そして
《アレクストラーザ / Alexstrasza》の攻撃力を1に変更する手段を保持しておくことが重要です。
《暴走コドー / Stampeding Kodo》はFreeze Mage側の
《終末予言者 / Doomsayer》・
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》を処理するのに最適な解答ですが、
《ソーリサン皇帝 / Emperor Thaurissan》や
《大魔術師アントニダス / Archmage Antonidas》など危険なミニオンを1ターン中に確実に除去する手段との兼ね合いを考えなければなりません。そして
《禁じられし癒し / Forbidden Healing》の回復量は可能な限り最大化して用いるべきですが、Torch型のFreeze Mageであるならばダメージの安全圏は相手のマナコスト減衰手段に応じて高く設定しなければ生き残れません。
上記2種のメジャーな構築スタイルではほとんど可能性はありませんが、MageクラスはN'Zoth Paladinの貴重な
断末魔/Deathrattleミニオンに対して最も適格な解答となる
《動物変身 / Polymorph》を持っていることも頭の片隅に留めておきましょう。
マッチアップ候補: Aggro Paladin , N'Zoth Paladin前環境のSecret Paladinがほぼ絶滅したことで、現在のPaladinは
聖なる盾/Divine Shieldか
マーロック/Murlocシナジーを基調とするアグレッシブな構築か、N'Zoth Paladinのミラーマッチにほぼ限定されます。ミラーマッチを考慮すれば
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》の存在が非常に重要であり、マリガンで残すべきか判断するためメタゲームの流行に気を配らなければなりません。トーナメントなどで事前にデッキ情報が得られるなら迷わずキープします。
もう一つ考慮すべきは
武器/Weapon破壊ミニオンです。N'Zoth Paladinのミラーマッチの場合、一般的に武器破壊は1体目の
《ティリオン・フォードリング / Tirion Fordring》死亡まで基本的に温存されます。しかしアグレッシブなPaladinに対しては、
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》を破壊しつつフィールドにミニオンを残すことで相手のテンポを大きくスローダウンさせます。
マリガンについてはミラーマッチの可能性が高ければ
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》と
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》を最優先、アグレッシブなデッキの可能性が疑われるならば
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》をキープします。
相手のデッキがAggro型であった場合、その構築テーマによって対応を変化させていかなければなりません。
聖なる盾/Divine Shield型は
《聖別 / Consecration》の効果が薄く非常に厄介ですが、マリガンでキープした
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》が重要な役割を果たします。このマッチアップでは
《謙遜 / Humility》や
《禁じられし癒し / Forbidden Healing》など安価な呪文によってアビリティを複数回起動することが非常に有効です。この際は
《禁じられし癒し / Forbidden Healing》が0マナでも使用できることを念頭に置きましょう。相手が
マーロック/Murlocの場合、やはりAoEと
《平等 / Equality》によるボードクリアが重要な存在となります。このコンボを行う場合は事前に
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》を装着していること、また相手のフィールドに
《マーロックの戦隊長 / Murloc Warleader》が存在することが望ましいので、体力と相談しながら待つことも考える必要があります。
さて本題のN'Zoth Paladinミラーマッチについて。お互いに膨大な体力回復とボードクリアの手段を持ち、一方的なミニオンプレイによって相手を反撃不可能な状態へ押しこむことは非常に難しいマッチアップです。基本的にリソースの削り合いであると考え、Fatigueまで見越したカードプレイを前提とすべきでしょう。
対戦の鍵を握るのは言うまでもなく
《平等 / Equality》です。常にこのカードを手札に保持していることが相手の
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》プレイに対する解答となります。そしてもし相手にこの呪文を浪費させることができれば大きなリードを獲得します。ただし相手にこのプレッシャーをかけることは簡単なことではありません。空のフィールドに
《ティリオン・フォードリング / Tirion Fordring》を置くことは他のクラスが相手ならば大きな脅威に映りますが、Control Paladinは幾らでも対処が可能です。
《謙遜 / Humility》・
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》・
《暴走コドー / Stampeding Kodo》・
《スペルブレイカー / Spellbreaker》・
《酸性沼ウーズ / Acidic Swamp Ooze》・・・・。これらの解答を有効に用いることがミラーマッチで差をつける要因となります。
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》のプレイについてはゲーム展開からタイミングを見計らう必要があります。基本的に
《平等 / Equality》で相手に返されるため残るのは
《アッシュブリンガー / Ashbringer》と
《ベイン・ブラッドフーフ / Baine Bloodhoof》のみ。
《シルヴァナス・ウィンドランナー / Sylvanas Windrunner》の1回目召喚を待つことはほとんど意味を成し得ません。
その他カードプレイについては余りにもケースバイケースであるため、ミラーマッチの経験値がアドバンテージとして明確に現れてくるはずです。
● アドバンテージとなるポイント
デッキ構築時点で既にデッキの優劣が存在します。ラダーでこれを意識したカード選択はミラーマッチの頻度を考えるとあまり得策ではありませんが、いちおう憶えておくべきでしょう。
第一に
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》。ヒーローパワーの効果が倍になることは、1/1という目に見える数値以上の様々な恩恵をもたらします。続いて
《エリーズ・スターシーカー / Elise Starseeker》。お互いリソースを潰しあって迎えるゲーム終局で手札に握られているのは、
《謙遜 / Humility》などの有効な使い所を失った呪文カードばかりとなります。この役に立たないカードをランダムなLegendaryミニオンに変換することでフィールドに脅威を置くことができます。そして追加の
断末魔/Deathrattleミニオン。特に
《黄昏の鎚の召喚師 / Twilight Summoner》はこのミラーマッチに限って有効な脅威と化します。または攻守どちらにも使える
《ウルダマンの番人 / Keeper of Uldaman》など様々なカードオプションが存在します。
マリガン基本的にラダーでは試合開始前に相手の構築スタイルを知ることはできません。それでもN'Zoth Paladinのミラーマッチになることを何らかの理由で予想できるならば、
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》を確保します。他のカードでは
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》が有効。
《終末予言者 / Doomsayer》も相手の
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》への返しとして有効です。
ミニオン処理デッキに採用されるカードはプレイヤー毎に少々差異は見られますが、基本的に相手は自分と同じことが出来ると考えて戦います。この前提で相手に差を付けるには、相手のミニオンを合理的に効率良く処理し、自身のカード効果を最大化させることに尽きます。
例えばこのミラーマッチにおいて空のボードに置かれる
《ティリオン・フォードリング / Tirion Fordring》は脅威ではありません。攻撃力低下+
《暴走コドー / Stampeding Kodo》で確定除去され、武器の破壊や
沈黙/Silenceで封じられることも有り得ます。この状況を防ぐには同時にアタック2以下のミニオンを展開しなければなりません。
そしてこのような単体除去を回避することは、厄介なミニオンを処理するために相手を
《平等 / Equality》使用まで追い詰めることにも繋がります。
マッチアップ候補: Control Priest , Dragon Priest , N'Zoth Priest , C'Thun PriestLOEで追加された
《埋葬 / Entomb》はN'Zoth Paladinに対する最適解です。構築スタイルによってはこのカードを入れてなかったり、または1枚入りの可能性もあります。しかし致命的なこの呪文の可能性の前に有力な
断末魔/Deathrattleミニオンを召喚することはあまりに危険な賭けとなります。つまり、N'Zoth Paladinはこのクラス相手に対して
《ケーアン・ブラッドフーフ / Cairne Bloodhoof》・
《シルヴァナス・ウィンドランナー / Sylvanas Windrunner》・
《ティリオン・フォードリング / Tirion Fordring》抜きで戦うことがほぼ前提となります。(時には賭けを仕掛けることもありますが)
さらにラグナロス・ブラザーズは
《密言・死 / Shadow Word: Death》で返しのターンに破壊されるのでこちらも期待できません。このクラスに対してはほぼ完全に攻め手が封殺されてると考えたほうが現実的でしょう。
では勝利の可能性は低いかというと、これはほとんど相手の構築スタイルに依存します。まず、典型的なControl Priestの構築は実のところ相性が良い関係にあります。上述のとおり
《埋葬 / Entomb》の前にPaladin側はキーカードをプレイできません。しかしControl Priestの構築には脅威となるミニオンがほとんどおらず、こちらはそのミニオン達を容易に処理できるのでなるべくカードを使用せずヒーローパワーを使用していくだけです。当然
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》が非常に有効であり、1/1のToken達で場を埋め尽くし殴り続け、Control Priestがしびれを切らして
《黄金のサル / Golden Monkey》を使用するのを待つだけです。N'Zoth Paladinの性質を知っているPriestは
《埋葬 / Entomb》を失うことを避けるため
《黄金のサル / Golden Monkey》を使用できないでしょう。そうなるとお互いにリソースを潰し合いFatigueの状況へ達します。このマッチアップではカードドローすることは極力避けること、そして
《影の抱擁 / Embrace the Shadow》 +
《瞬間回復 / Flash Heal》や
《思念撃破 / Mind Blast》などバーストダメージの可能性に注意を払いましょう。
一方でN'Zoth Priestに対しては極端に不利な関係にあります。Paladinはキーカードを使用できず、召喚したなら盗まれるにも関わらず、Priestは有益な
断末魔/Deathrattleミニオン達を好き放題使用してゲーム終盤に
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》で呼び戻します。この分厚いディスアドバンテージをPaladinの除去手段で解消することは非常に難易度が高いでしょう。Dragon Priestもカードシナジーが脅威なデッキですが、十分に可能性は残されています。ゲーム後半の
《クロマガス / Chromaggus》や
《イセラ / Ysera》など放置できないミニオンへの対処として
《暴走コドー / Stampeding Kodo》がここでは切り札となります。
マッチアップ候補: Miracle Rogue(Malygos) , Deathrattle(Raptor) Rogue , N'Zoth Rogue , Mill Rogue新環境で完全復活を遂げたRogueのCombo型デッキはN'Zoth Paladinの天敵です。Miracle RogueとMalygosタイプのどちらも止めることは難しいでしょう。Paladinは
《隠蔽 / Conceal》に対して有効な除去手段を持っています。しかしRogueに対して有効なプレッシャーを与えることがほぼ不可能なので
《ガジェッツァンの競売人 / Gadgetzan Auctioneer》を利用したカードコンボを行うのに十分過ぎる時間を与えてしまいます。頼みの
断末魔/Deathrattleも
《昏倒 / Sap》で返されるため、テンポで勝ることは出来ません。
相手の
《ガジェッツァンの競売人 / Gadgetzan Auctioneer》がデッキの底に眠ることを祈る以外に勝つ手段を模索するならば、相手から可能な限りヒーローがダメージを受けずにゲームを進行すること、そして相手のダメージリソースをすり減らすことです。Rogueのカードコンボは強力ですが、ダメージリソースはフィールドに置くミニオンにほとんど依存しています。ひとつの切り札は
《光の王ラグナロス / Ragnaros, Lightlord》になりますが、ボードを空にしておくことに加えて
《影の一閃 / Shadow Strike》も相手が使用済みでなければ簡単に処理されてしまいます。
断末魔/Deathrattle型のRogueには大まかに二つのタイプが想定され、
《掘り起こされたラプター / Unearthed Raptor》の
断末魔/Deathrattleのシナジーを特徴とする軽いTempo型デッキと、
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》を採用したMid - Control型に分かれます。ただし
《掘り起こされたラプター / Unearthed Raptor》の
断末魔/Deathrattleはどちらのデッキにも共通しているため即座に見分けることは難しいでしょう。
そもそもMiracle Rogueの人気におされてDeathrattle Rogueはプレイされていないことは横に置いておきましょう。現在の流行を鑑みれば、最終的に
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》が出てくることを前提で戦わなければなりません。このためN'Zoth Paladinと同様に一部の除去カードは保持しておく必要があります。さらにRogueは
《シャドーキャスター / Shadowcaster》を利用したトリッキーなコンボが可能なことを念頭におきます。盤面のミニオンが差し迫った脅威に見えなくとも、1/1のコピーを複製されると厄介な存在が幾つも考えられます。このため
《ケーアン・ブラッドフーフ / Cairne Bloodhoof》は盤面に放置せず、可能な限り妥当な除去手段(
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》+α)などで破壊しておかなければなりません。
マッチアップ候補: Aggro Shaman , Totem ShamanOldGods追加カードによって優秀なミニオンを複数手に入れたShamanはAggroデッキの性質も変化しつつあり、N'Zoth Paladinにとって厳しいFace一辺倒のデッキはかなり減少しています。そしてPaladinは
《炎まとう無貌のもの / Flamewreathed Faceless》に対して有効な解答も複数存在するためほとんど脅威とはなりません。Face Hunter同様に適切な除去を適切なタイミングで使用できるかに左右されますが、フィールドと体力を安定させゲーム後半まで生き延びることは比較的容易です。ただし
《ドゥームハンマー / Doomhammer》+
《岩穿ちの武器 / Rockbiter Weapon》 , または
《血の渇き / Bloodlust》の瞬間的な爆発力が存在することを常に考慮しましょう。回復を惜しむ欲張りプレイを試すには非常に危険な相手です。
トーテム/Totem種族のシナジーを特徴とするMidrangeの構築である場合、範囲除去を使用するタイミングがより重要になります。体力2のミニオンが複数並んでいたら
《聖別 / Consecration》を思わず使用したくなりますが、ヒーローパワーで生み出されたTokenを処理してもカードアドバンテージには繋がりません。警戒すべきは
《サンダー・ブラフの勇士 / Thunder Bluff Valiant》であり、範囲除去を使用できなければほんの数ターンで致命的なほどにフィールドを築き上げる恐れがあります。またMidrangeに寄せた構築では
《呪術 / Hex》が入っていて当然という認識の上でプレイを選択する必要があります。
この対戦では特にAoEの使用タイミングが重要であり、
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》はMVPとして活躍します。厄介な体力3ミニオン(
《炎の舌のトーテム / Flametongue Totem》・
《マナの潮のトーテム / Mana Tide Totem》・
《野獣の精霊 / Feral Spirit》)も
《聖別 / Consecration》とのコンボで3点範囲ダメージで処理することができます。
マッチアップ候補: Zoolock , RenolockアグレッシブなZooに対しては他のAggroデッキ達と同様に除去を適切なタイミングで使用できるかどうかが鍵となります。また、このマッチアップの場合もAoEの重要性が高まります。ゲーム中盤以降にボードクリアから一度フィールドを安定させてしまえば相手に苦しい展開を要求させますが、一部のデッキでは
《リロイ・ジェンキンス / Leeroy Jenkins》によるバーストダメージを繰り出してくる可能性があることを想定しておかなければなりません。相手ミニオンの攻撃力を低下させつつ3/3のボディを置く
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》は相手にミニオントレードを強いることでスローダウンさせるのに効果的です。しかし
《海の巨人 / Sea Giant》や
《ドゥームガード / Doomguard》、パンプアップした
《ダークシャイアの議員 / Darkshire Councilman》の可能性についても考慮すべきです。またこの対戦では
《イカレた錬金術師 / Crazed Alchemist》に処理されてしまうため
《終末予言者 / Doomsayer》の過信は禁物です。アメリカ地域予選のトーナメントで数多くのプレイヤーがこのミニオンを採用していたことからも、シーズン26現在は有力なテックオプションのひとつとして存在します。
RenolockはZooを遥かに上回る厄介な対戦相手となります。ヒーローパワーによるカード供給から優秀なミニオンを召喚し続け、フィールドを制圧されても
《捻じれし冥界 / Twisting Nether》などリセット手段を持っています。
《ロード・ジャラクサス / Lord Jaraxxus》変身後は無尽蔵に6/6のTokenを生成するためリソース勝負では苦しい展開となるでしょう。Paladin側としてはたった15の体力でも素早く削るのは困難です。
さらにRenolockも
《リロイ・ジェンキンス / Leeroy Jenkins》を採用しバーストダメージを発生させてくる恐れが存在します。
《無貌の操り手 / Faceless Manipulator》でダメージを倍加してくるため、
《ソーリサン皇帝 / Emperor Thaurissan》を見かけたらコンボの可能性を常に疑うべきです。
マッチアップ候補: Tempo Warrior , Patron Warrior , Control Warrior , C'Thun Warrior , Aggro Warrior旧環境末期に注目を浴びたTempo Warriorは拡張版リリース後も引き続き成功を収めWarriorのメジャーデッキにまで成り上がりました。OldGods新カードはこのデッキに新たな戦力を加えましたが、N'Zoth Paladinにとっては与し易いデッキ構成となっています。とはいえゲーム後半の
《グロマッシュ・ヘルスクリーム / Grommash Hellscream》によるバーストダメージは脅威的であり、Warrior自身の装備した武器とミニオンによってゲーム中盤以降から畳み掛けられると苦しい展開を強いられかねません。このデッキに対して
《暴走コドー / Stampeding Kodo》を用いて
《鎧職人 / Armorsmith》を除去する価値は薄く、
《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》や
《ブラッドフーフの勇士 / Bloodhoof Brave》、またはゲーム後半のドロップ(
《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》のような)に対して有効に使用することを考えます。
《コルクロンの精鋭 / Kor'kron Elite》など相手ミニオンの単純なドロップも防止するためにテンポプレイを考える場合は手札の状況と相談しましょう。
Patron Warriorとのマッチアップは当然
《平等 / Equality》の重要性が高まりますが、装備した
《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》の耐久値を温存しておくことで
《聖別 / Consecration》と併せてクリアできる状況も少なくはありません。この対戦では
《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》が非常に危険な存在なので、フリーで次のターンへと渡すことは可能な限り避けましょう。
Control Warrior(Elise型)との対戦はControl Priestとのマッチアップに類似しています。お互いにキーカードを抱え、どちらも切れない状況の中でリソースを潰し合う展開が続きます。Warriorの場合はそれが
《乱闘 / Brawl》であり、こちらの
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》の返しとして使用するために温存しています。
そしてPriest同様に、Warriorは
《乱闘 / Brawl》を保持しておくため
《黄金のサル / Golden Monkey》を使用することができません。この展開において先に敗北するのはカードをドローしてしまったプレイヤー側です。何らかの理由で相手がControl Warriorであると判断できたならば、カードドローは厳禁です。マリガンはデッキに入れているなら
《エリーズ・スターシーカー / Elise Starseeker》をキープ、無ければ
《ジャスティサー・トゥルーハート / Justicar Trueheart》を残します。流行デッキの性質からゲーム後半に処理が難しいミニオンはさほど意識する必要はありませんが、
《イセラ / Ysera》への保険として攻撃力低下手段と
《暴走コドー / Stampeding Kodo》はキープしておくべきかもしれません。
最後にC'Thun Warrior。このマッチアップは非常に変則的です。こちらも
《乱闘 / Brawl》を1枚ないし2枚デッキに採用しており、Warrior側は膨大な
装甲/Armorを積み上げることが可能であり、1ターン中に
《ブラン・ブロンズビアード / Brann Bronzebeard》と
《古代の盾持ち / Ancient Shieldbearer》を同時に使用されることを確実に防ぐことはできません。Fatigue勝負となるとPaladinは分が悪く、さらに
《クトゥーン / C'Thun》という脅威も存在します。
初回に召喚されるこの旧神は問題なく処理できるはずですが、その後に続く
《破滅の招き手 / Doomcaller》からの再召喚が可能になると致命的です。これを避けるために、N'Zoth Paladinは
《クトゥーン / C'Thun》を破壊せずに凌ぐことを求められます。ゲーム中盤に相手が
《黄昏の鎚の地霊術師 / Twilight Geomancer》を召喚したならば
《スペルブレイカー / Spellbreaker》を一回目の
《クトゥーン / C'Thun》までキープしておきます。もちろん必要に迫られればその限りではありませんが、可能であるなら
《クトゥーン / C'Thun》の攻撃力を1に変えてフィールドに放置します。そして
《シルヴァナス・ウィンドランナー / Sylvanas Windrunner》で相手から
《クトゥーン / C'Thun》のスティールを試みます。
《破滅の招き手 / Doomcaller》のアビリティ条件は相手のボード上で
《クトゥーン / C'Thun》が破壊されている必要があるため、盗むことに成功したらもはや脅威ではありません。
▲IndexTips &プレイ動画リンク
◆ C'Thunの処理《クトゥーン / C'Thun》と
《熱狂する信者 / Crazed Worshipper》が同時に存在する時、
《熱狂する火霊術師 / Wild Pyromancer》+
《平等 / Equality》のカードコンボがダメージを与えた瞬間
《熱狂する信者 / Crazed Worshipper》のbuff効果が起動し
《クトゥーン / C'Thun》の体力が1残ってしまいます。
《破滅の招き手 / Doomcaller》が
《クトゥーン / C'Thun》をデッキにシャッフルして加える条件は、相手のコントロール下(相手のバトルフィールド上)で
《クトゥーン / C'Thun》が既に破壊されていることです。このため
《クトゥーン / C'Thun》を処理すべきか攻撃力を1に変え凌ぐかを、相手がプレイしてきたCultistミニオンの状況から判断しなければなりません。
もちろん
《シルヴァナス・ウィンドランナー / Sylvanas Windrunner》によってスティールすることが出来れば状況は非常に有利になります。
◆ 《謙遜 / Humility》 or 《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》ターゲット対象の攻撃力を1に変更するという役割は共通しており、違いは呪文かミニオンであるか、そしてマナコスト。この2枚が同時に手札にあるときどちらを優先して使うべきかは対戦相手のクラス、デッキタイプ、使用を検討するターンのマナ数、手札とフィールドの状況など様々な要因が関わってきます。大抵は
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》がフィールドに3/3のボディを同時に置くことによってミニオントレードを要求し、相手をよりスローダウンさせやすいため結果的に
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》を使用することが正解の場合が多いでしょう。
《謙遜 / Humility》はたった1マナであるため他の行動と両立しやすいことも利点であり、ゲーム後半のカードプレイに有益な選択肢を増やすことを期待できます。
ただし以後のターンにボードクリアを行うことを前提としている場合、3/3の本体を残す
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》の浪費が後に響いてくる状況も考えられるの注意が必要。特に
断末魔/Deathrattleミニオンを安易に召喚できないControlデッキ同士のマッチアップでは3/3の本体でも貴重な存在になり得ます。
◆ 《しめやかな通夜 / Solemn Vigil》のディスカウント自身のターン中に敵味方問わずミニオン1体が死亡する毎にマナコストが差し引かれる。この性質を活用するのに最も効果的な組み合わせはもちろん、自分のターン開始時にフィールドのミニオンを全て破壊する
《終末予言者 / Doomsayer》です。破壊されるミニオンの数が5体以上であれば0マナコストでカードを2枚ドローすることも可能なので、ターン開始時に破壊されるミニオンの数は多いほどコスト削減となります。このため、
《終末予言者 / Doomsayer》を使用するときはヒーローパワーの
《シルバーハンド新兵 / Silver Hand Recruit》など既にボード上に存在していたミニオンもなるべく生かしたまま次のターン開始を迎えるのが望ましいことになります。相手の除去の可能性を想像し、必要がなさそうであればミニオンはトレードに動かさないことが少ないコストのカードドローを実現します。その場合相手はミニオンをこちらのヒーローへとダイレクトアタックするだけなので、自身の体力と相談することも重要です。
またControl Paladin同士のマッチアップに限っては、相手の
《終末予言者 / Doomsayer》に対する無駄なヒーローパワーの使用(及びミニオン召喚)は相手の
《しめやかな通夜 / Solemn Vigil》使用を助ける場合があるので注意。
◆ 《トゥルーシルバー・チャンピオン / Truesilver Champion》で殴るかどうか体力を2点回復し対象に4ダメージを与えるこの武器はゲーム全体を通じて有用な存在です。特に早い時間帯に召喚される相手ミニオンを2体処理するのに十分な数値であるため、ヒーローの体力と引き換えにカードアドバンテージをも獲得します。ただし、この武器で殴るのに絶好の的が存在するからといってすぐさま処理すべきかどうかはよくよく考える必要があります。
いま目の前に居る相手の体力4以下のミニオンは、今すぐ処理しなければならない脅威でしょうか?
《ブラン・ブロンズビアード / Brann Bronzebeard》は直ちに処理すべきでしょう。しかし
《ノームの発明家 / Gnomish Inventor》は攻撃力がたったの2で
雄叫び/Battlecryアビリティはすでに発動済です。もちろんミニオンが生存していれば継続的に毎ターンダメージを受けることになりますが、相手の次のミニオン召喚と同時にAoEで処理することができれば武器の
耐久度/Durability節約になります。
この判断はヒーローの体力値もリソースの一つと捉え、カードアドバンテージや相手の予想される今後のプレイなどを天秤にかけて考える必要があります。
◆ ミニオンのテンポプレイカードの価値を引き出すには特定の状況を必要とするミニオンがいくつもデッキに含まれています。武器破壊の
《酸性沼ウーズ / Acidic Swamp Ooze》・
《ハリソン・ジョーンズ / Harrison Jones》、相手のミニオンを弱体化させる
《アルダーの平和の番人 / Aldor Peacekeeper》・
《潔白のエアドリック / Eadric the Pure》、または有利なトレードの状況を生みだす
《ウルダマンの番人 / Keeper of Uldaman》、対象ミニオンのアビリティを打ち消す
《スペルブレイカー / Spellbreaker》・さらにキーカードの
《シルヴァナス・ウィンドランナー / Sylvanas Windrunner》も同様。
こうしたカード達は基本的にその使用すべきタイミングが訪れる瞬間まで温存されますが、アビリティ効果を享受できなくとも召喚しておくことで以後の展開を助ける場合も考えられます。フィールドに置いたミニオンが敢えなく除去されても、除去するためのマナとカードを使用させることで相手をスローダウンさせることには成功すれば価値が認められるからです。
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